なりたいあなたのままで キンキーブーツ2022

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プライベートがせわしなくて下書きに入れたまま年末になってしまった…10月中旬にキンキーブーツ2022観劇してきたので備忘録を残しておきます。観劇当時の自分が感じたことを忘れないためにも。

キンキーブーツ、正直観るまでは色々な気持ちが入り混じってたんですけど観終わって場内が明るくなった時、ああやっぱり観にきてよかったと思った。この作品が好きだなと。
私は日本版の初演と再演を観劇していません。なので先にご承知おきいただきたいのは三浦さんのローラが多くの人に愛されている魅力的なローラだなと認識してるうちの1人ではあるけれど、初演や再演を観てた方々とはキンキーブーツ2022に対して感じる部分に違いもきっとあることです。たぶん初演・再演を観劇した方の中でも今回悩んで観ることにした方、観ないことにした方もいただろうし。それぞれの選択に正解/不正解はないし、私が一個人として観てよかったという、あくまで2022年のキンキーブーツへの感想です。

この演目を初めて観たのは映画館で上映されたブロードウェイ版でした。当時の私はプライベートがズタボロ状態で食欲も趣味を楽しむ余裕もなかったので、元気づけてくれる作品を観たくて。池袋の映画館で暗闇の中スクリーンに映し出されるローラのパワーや輝きに圧倒された。ローラという存在の眩しさやRaise You Up/Just Beをはじめとした素敵な曲たちに出会えた当時のことを思い出すと勇気をもらった記憶が今でもブワッと蘇ってくる。ミュージカルの日本版については再演の時に評判がいいのはきいていたのですが、評判が入ってくる頃には観られず…。まだ観劇が趣味になる前だったのが本当に悔やまれる。

キンキー日本版の話題はその評価の高さと同時に悲しい部分と向き合わなければならないのもあって、最初に再々演が決まった時、生で観たい、ただどういう感情で観ればいいか少し戸惑いはある…という気持ちが混ざり合ってたのが正直なところです。キンキー日本版の初演や再演を観てた方はもっと複雑な気持ちだったかもしれない。それでもそういった評価をされる側面も含めて、カンパニーがまた動き出そうと決めてくれたことに勇気を感じ、私は彼ら/彼女らが作る2022年のキンキーブーツを観ようと決めました。

ただ、決心はしたものの観劇当日シアターオーブの幕が上がるまで期待と緊張の入り混じった胸の高鳴りが抑えられず…。初めにドン役の勝矢さんが出てきて、スマートフォン等の注意をしてくれるくだりがあるんだけど、ウェイトレスで観た時から変わらない勝矢さんのチャーミングな人柄(役柄?)に癒されてやっと気持ちが楽になった。

小池さんはチャーリーのちょっと頼りない感じも出しつつ、芯の通った歌声が響いていて素敵だった。ストーリーが進むごとにチャーリーの変化がみられるのも本作の魅力だなと思う。
城田さんは事前にゲネプロの動画を拝見しててその時は高身長+ヒールで姿勢を保つのが大変そうな印象を受けたんだけど、劇場で観たら全然違った。すらっと伸びた背筋、そして歌は数々のミュージカルで鍛えられてきただけあって訴求力もあり。舞台上にローラがいる、と思った。
ソニンさんローレンはまさにこんな人にやって欲しい!ってのを体現してたな…勢いがあってちょっと早とちりしちゃう感じとか、人間味があって好きなんだよね。
エンジェルスのみなさんもキラキラしてて美しくて、高いヒールでもブレないダンスがかっこいいのよ。

キンキーの好きな要素のひとつに数々のキャッチーなナンバーがあって(シンディ・ローパーありがとう)、テンポのいい曲も多いから日本語にすると難しそうだと思ってたんだけど、日本語と英語をバランスよく歌詞に混ぜてるのもよかったなあ。Spotifyでよく聴いてたからブロードウェイ版に耳が馴染んでたけれど思ったより違和感なく聴けた。

またいつか生で観劇する機会があれば、その時はローラみたいな人に少しでも近づけてたらいいな。


今年は人生の中で一番ミュージカルに触れた年だったからこそ、勇気をもらえたり、演者と一緒に踊りたくなるような作品って楽しいなと気付けた1年だった。日々辛いこともある中で素敵な作品たちに出会うたびまた頑張ろうと思えたし、幕が上がるよう尽力してくださった関係者の方々には感謝しかない。この言葉は自信をもって言えます。

観劇好きになってよかった、と。