赦しの種は蒔かれる ジェーン・エア

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3月に萌音ジェーン&屋比久ヘレン回のジェーン・エア観てきました。たまたま追加で立ち見が販売してたので、己の足腰限界チャレンジも兼ねて観劇。最後の方は足が終わってしまい、座席の偉大さを改めて確認できました…ありがとう椅子よ…でも立ち見だと前の人の頭で視界が遮られにくくてそこはよかった!

今回は原作未読、旧版も観てないのでざっくりあらすじを確認して観劇。正直なところ時代背景が古めで初見だったこともあって、現代の感覚だとエッ…すごい…!となる部分があったりしました。結婚しよう!って言われた相手から結婚式当日に「実は結婚してました」って明かされるシーンがなかなか衝撃的。(もちろん色々な理由があったにせよ)それを最終的に赦すことのできるジェーンの強さもまたすごいんですが、それは確実にヘレンの存在があったからで、ヘレンと出会えてよかったな…と。なので共感できる要素よりジェーン、強く美しく逞しくてすごいな…という気持ちで観てる時間が多かったかもしれない。

キャストはダディでも観ていた芳雄さん×萌音ちゃん×ジョン・ケアードの組み合わせで安定感あるだろうなと思ってたし、屋比久ちゃんのヘレンの芯の通った雰囲気も病気で弱っていく様も惹きつけられた。逆のバージョンも観たかったな。あとヤング・ジェーンとアデールの二役をやってた子役の萩沢さんも歌がうまくて!
芳雄さんのロチェスター卿はやってることなかなかなのに絶妙に憎めないキャラクターで、そのバランス感覚が上手な印象でした。占い師のフリしてるシーンとかほんとに楽しそうでこちらも笑顔になった。
萌音ちゃんのジェーンは“慈悲深さ”に特化してる感じ。元々の彼女のイメージに重なる部分もありつつ、あの柔らかくも通る歌声がジェーンという女性のキャラクターをより一層くっきりさせてくれた印象。

歌唱シーンもキャストの皆さんのうまさは大前提として、小説を読んでる時の感覚になるようなテンポ感で心地よかった。これはキャストの方々の歌唱力とジョン・ケアードの脚本・演出力の高さだからこそだなと!

ヘレンからもらった赦しの種がジェーンに蒔かれて育っていって、さらにジェーンの中で育った種を色んな人に蒔いていく(与えていく)という流れが美しい作品でした。