そして帳は下ろされた 舞台「呪術廻戦」

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舞台「呪術廻戦」(じゅじゅステ)観てきたので忘れないうちに感想を。大したネタバレはないけど、これから観る方は念のためお気をつけください。よかったところと自分には合わなかったかなと感じたところのメモです。

はじめに

原作・アニメが好きで2.5次元自体は初めて、事前情報入れずの鑑賞でした。まずはこのご時世で無事に幕が上がったことに感謝しかない。前週に別作品のチケットが公演中止になり凹んでいたので、正直始まるまで本当にどきどきしてた。キャストのみなさん、関係者のみなさんの日々の努力に頭が上がりません。

劇場ははじめましての天王洲銀河劇場。2階席だったけど、けっこうキャストとの距離は近く感じた。傾斜があって舞台を囲むように座席があるの海外っぽくてよいね。(トイレの動線と数はいまいちだったのでそこが改善されたらさらにうれしい…)

キャストについて

高専チーム】

  • 豊原さんの野薔薇ちゃん、石井さんの硝子、高月さんの真希さんあたりの女性陣の再現率が高くておお!と思った。呪術廻戦の女性キャラたち強くて好きなんだよね。歌は野薔薇ちゃんのやつが一番好きだったかな、キャラクターに合っててかわいかったし耳に残る。

  • 五十嵐さんの宿儺もかなり帝王感あって迫力!!って感じでよかった。オペラグラス構えるたびに天上天下唯我独尊オーラが伝わってくるのよ。最後までクールな感じでキャラクターのイメージしっかりされてたのも好印象!

  • 三浦さんの五条先生は椅子に座って足開いてるシーンの股下長すぎて目を見開いちゃった。あと劇場版0と同じく唇がトゥルントゥルンでした。オペラグラスでしっかり観たから間違いないですが、なんのリップクリーム使ってるのかぜひ教えてほしい。五条先生早口だしセリフ多めだと思うんだけど聞き取りやすかったし、誰もがキャスティング難しいと思うキャラクターをこなせるのすごいな〜という。

  • 佐藤さんの悠仁は運動神経そのままだったな。歌もアクションもばりばりで身のこなしが軽やか。もはや観ながら(舞台装置けっこう揺れそうだし怪我しないようにね…!)ってお母さんみたいな心配してたけど、バトルシーンもっと観てみたかったな。

  • 泰江さんの伏黒恵は初っ端からキレキレに踊ってて笑った。原作の伏黒恵はダンスとか得意じゃなさそうだから…「魅せてみろ伏黒恵(ダンスを)」だった。でも彼の演じる伏黒恵は一生懸命で高校生らしくもありどこか憎めない感じ。カーテンコールで紙吹雪が頭にのってて、五条先生がはらってくれてたのかわいかった。

  • 和田さんの七海もキャスト発表時はどんな感じになるんだろうかと思ったけど、淡々としつつバトルシーンはきれきれでよかった。七海の曲が歌謡曲みたいだったのはわりとツボでした。

  • 高専チームか微妙ですが)福澤さんの順平も負の感情を歌とダンスにのせるのがうまくてぐっときた。ストーリー上、順平の存在って重要かつ難しい役どころではあるんだけど感情の機微がこちらにも伝わってくる感じ。

  • 田中さんの伊地知はそもそもクオリティが高いだけでなく、雰囲気を柔らかくする緩衝材としての役割もしてたなあと。彼がいることでストーリーもよりわかりやすくなってたと思う。

  • 定本さんの狗巻くんもクオリティ高い感じだったからもっと活躍してるとこ観たかったな。セリフがおにぎりの具だから歌わせるのも難しいだろうなとは思うけど…!

  • 寺山さんのパンダはめちゃくちゃパンダだった。動くの大変そうだけど、ちゃんとパンダっぽく見える動き!大きくてふわふわでかわいかった。


【呪霊チーム】

  • 太田さんの真人は身のこなしが本物のそれだったし、歌唱パートで伸びの綺麗な声が印象的だった。真人も太田さんもお顔立ちがかわいい感じなんだけど、袖から見える二の腕はむきむきでギャップすごい…だった。2幕で彼の魅力にもってかれる感じさえあったな。

  • 原作だと夏油(縫い目なし)が好きなのでわりと藤田さんの夏油は楽しみにしてたんですが、ちゃんと縫い目あり夏油だった。五条先生と同じくらいキャスティング難しくない?と思ってた中で選ばれた藤田さん、期待を裏切らない。声のトーンやゆったりとした喋り方が非常に心地よいが怖くもありGOOD。好きなキャラが目の前でブラジル体操踊ってるの観る日がくるとは…

  • 山岸さんの漏瑚、南さんの花御もパンダ同様に動くだけで大変そうなのに(漏瑚とか前屈みで膝を曲げる姿勢だし)、本物っぽくてよかったな。呪霊チームのわちゃわちゃもかわいかった!

 

歌とか脚本とか演出について

まず予想以上に歌唱シーン多かったのでシンプルに驚いた(いい意味でも悪い意味でもなく)2.5次元の知識が少ないので他作品もこれくらい歌うのかな、じゅじゅステが多いのかなとか考えつつ、どちらにせよキャストのみなさん歌はとても上手だった印象。キャラクターによってはイメージに合わないと感じる人がいるのは納得。
脚本に関しても、まあこれは好み分かれるだろうな…と。コミカルなシーンとシリアスなシーンの落差がすごいから原作知ってても感情が置いてかれる時はあった。コミカルなシーンも笑いの方向性がね…という感じ。わちゃわちゃしてる1年トリオとかはかわいくて好きなんだけどね!
個人的には原作の世界観が好きなので、原作要素をもう少し入れてシリアス成分多めでもよかった気はする。舞台になってる原作の1〜4巻って悠仁が呪術師としての覚悟を決めるまでの心の動きとか、“生と死とは”って部分にスポットライトが当たってるからそのあたりの内容を深掘りするのもありだったのではと思うし。曲もポップなの多めだったからもう少しバランスとってもよかったかも?と感じた。
原作好きで観に行く方って多いと思うんだけど、このあたりに違和感を覚える人がいるのも頷けるかなあ。世界観ありきの作品かつ人気作なので。
私自身は原作読んでて内容知ってるから観れたけど初2.5にしてはクセが強めだったかもな〜という所感です。正直観ててこのシーンはなくてもいいかなって部分はあったし(映画のくだりとか…)
呪術廻戦の原作知らない人に観て!ってすすめるには難易度高めかな。作品概要は理解してもらえる気はするしキャストの魅力も伝えられるけど、原作の面白さが伝わりきらないというか。原作の用語やセリフを知ってるから頭にすっと入ってくるけど、自分が未読・未見だったら世界観と歌詞を理解できるか怪しいかもしれない。
ただ帳の下ろし方とか領域展開は演出をどういう風にするのかなって気になってたから、プロジェクションマッピングでなるほどな〜と思った。
キャラクター名とか技名とかマンガ読んでるみたいに文字が出てくるのはおもしろかった。たしかに技名の漢字とか、原作かアニメチェックしてないと字面が想像できないよね。

総括

個人的に合わなかったなという部分についても触れましたが、生で観たからこそキャストそれぞれの魅力や劇場の臨場感がより感じられた部分も大きいのは事実です。オペラグラスで観てるとみなさん本当に細かい表情や所作までこだわっているのが伝わった。人気作かつ世界観の表現が難しそうな作品であるにも関わらずここまで形にできたのはすごいと思うしキャストのみなさんの頑張りもひしひしと感じたので、みなさんが元気に千秋楽まで駆け抜けられることを願っています。


あとやっぱり生の観劇って楽しい(観劇するたびに思ってる)